おもちのもちもちブログ

ポケカが好きな服屋の店員さんが書くブログ

CL横浜を終えた気付きと感想とかそういうの。

こんにちは、おもちです。

最近ではnoteの方での記述が増え、久方ぶりにブログの方に返ってまいりました。投稿はかれこれ1年近く離れていたかと思います。

 

先日の10/3,10/4とチャンピオンズリーグ横浜が開催されました。本日はいくつか、カードゲーム的な話とそれからいくつか気づいた点について、つらつらと書いていけたらと思います。(noteではなく個人のブログで書く理由は、あくまで読者の方を考えて書く記事ではなく、自身の備忘録、および意見的な意味合いが強いからです。)

 

 

1. 環境とその推移について

環境とその推移について、いくつか思ったことがあります。まず1つ、ある程度の結果を残すにあたり「1週間前の優勝デッキ」というのは大変パワーがある、ということです。

今回で言えば無人ダイナで、以前の千葉CLの時も確かシティリーグ東京の優勝デッキと58枚を共通するフェローチェマッシブーンのデッキが優勝していました。

また多くの方がその「無人ダイナ」を警戒してセキタンザンVMAXを主軸とするようなデッキを持ち込んでいたようです。

かれこれ2年と少しポケモンカードをやっていて、この傾向は日毎に強くなっていっているように思います。

僕自身もnote記事では散々稼がせてもらっておりますのでnote記事というのを書くメリットは執筆者として大きくありますし、何より読む側も500円払うだけで強者の頭の中を覗くことができる、というのが今では当たり前になってきました。ポケモンカード は昨今この傾向が強く、強い人がどんどんそのノウハウを発信し、情報と環境はどんどん加速していっているように感じます。そうやって得られる知識は以前よりも手軽になっている反面それらを持つ人と、持たない人では大きく差が生じるようになってきて、ある程度の結果は情報だけで出せるというところまで発展したんじゃないかなぁと思いました。実はセキタンザンVMAXも直近の自主大会で優勝しており、注目度は低かったものの力のあるデッキタイプでした。(僕は後攻からの勝ち筋があまり浮かばず、懐疑的ではありましたが笑)

結論で言えば、直前の優勝デッキを持ち込むことは決して悪くない、という風になってきているということです。

2つめに感じたのは今大会のレベルの高さと運要素の強さです。

相反する内容かもしれませんが聞いていただきたい。今大会はシティリーグもなく事前の情報が極めて絞られた大会だと感じました。コロナ渦の影響で多くの大会や交流会が自粛になったことや、全シーズンの優先権保持者が一度に会したことなど、多くの場面とにかく濃い内容であったことは明らかで、その中で勝ち抜いていくには当然実力を要求されました。また、実力以上に運要素が高かった大会であるとも思いました。決勝Day2に残るだけならばともかく、世界大会への切符を取るために要求されるのは1500人中8位以内に入ることです。これは確実に運が絡むのは間違いありません。13戦を2敗以下で抑えるためにはとにかく運要素が増えることを認め、不利な相手を踏まない前提で勝つことを考える必要があると考えています。

あけすけに言えば、ひっくり返せるプランの準備と少しの割り切りが必要だった大会であるということです。

この見極めに成功している人たちが一縷の運要素をモノにして勝ちあがっていると感じました。これは同じデッキ内容、58〜60枚共有で出ているチームの人たちが早々に負けている人もいれば、勝ち抜いている人もいる、という現状を見れば明らかです。必ずしもぴったり実力だけで上まで突破しているわけではないということです。

 

 

2. 決勝戦について思うこと

勝戦のタカマツゲン選手、テラダケイト選手の対戦は大変見ごたえのある対戦で、ポケモンカードのYouTuberとして広く知名度のあるタカマツゲン選手に対し、弱点を突く形でもありそういった活動のない、いわゆる”一般人”であるテラダケイト選手が一種のヒール役のような立ち位置だったように感じます。

公平な目線でいけば”火の玉サーカス”のズガドーン、通称”小ズガ”vsルカリオ&メルメタルGXとザシアンVの通称”ルカザシ”という対面はおおよそデッキタイプだけで見ると小ズガが有利な対面で、ルカザシ側は「勝ち筋はある」または「対策札がある」という勝ち筋を追っていくゲームになります。つまり結果的に行けばとのようなゲーム展開であれ、テラダケイト選手側に軍配が上がる確率の方が高かったゲームだと思いました。それを踏まえると、この”相性不利を覆す人気Youtube配信者”というのはどうしても一方的な見方になってしまい、転じて対戦相手の方がヒールになってしまうのは避け得ないのかなと思いました。

今回主軸に置きたいのは「タカマツゲン選手が自己申告をしてペナルティを受けたことが美談とされている」風潮です。確かに勇気のいる行為かと思いますが、みんな見ていました。遅かれ早かれ誰かが気付いたでしょう。はっきりと言いますがあれは当たり前の行為です

配信じゃなかったらやっていいのか、ペナルティなく続くのか、自己申告しないのか。

そんなことはありません。本来気付くべきはプレイヤー同士であり、あのタカマツゲン選手の自己申告と対戦相手に「本当にすみませんでした」と謝る姿は本来あるべき姿だと思いました。というのものここは美談としてではなく

わざが使えないのにわざを使ったことにして、サイドを勝手に取って見てしまった

というルール上の禁止行為をしているからです。この場合本意ではなかったといえ、イカサマ行為とやっていることに関しては変わりません。単純なルール違反です。

潔さとか言ってる場合じゃありません。知らずに無免許運転してた人が警察に出所して「すみません無免許でした」と宣言して、それを潔い!と言うのとやってることは変わりません。別に褒める行為ではないからです。

ここで前述したヒール役云々という話につながります。SNSを見ているとタカマツゲン選手の知名度と人気からこういった意見が多いのが大変気になりました。タカマツゲン選手本人もYoutubeの動画でおっしゃっていますが、まず大前提として悪いのはタカマツ選手自身です。

 

それを踏まえた上で「ジャッジや対戦相手が気付けていなかった」という話になってくると思います。

 

以上の点を踏まえて対戦ジャッジについて思うことを少し書いていきます。

まず「ジャッジいる意味あんのか」という意見について。これは確かにそう。それはそう、という話です。しかしながら本来はプレイヤー同士の間で解決する部分を補佐している立場に過ぎないため、これは日本の対戦ジャッジの立ち位置からはいささかズレた意見と言わざるを得ません。

これは海外だと話が大きく異なります。思い出されるのは昨年のWCS決勝戦のイトウシンタロウ選手のペナルティです。今回の裁定に対して良い判例として持ち出せる案件であると思います。

日本があくまで選手同士の対戦を補佐していく立場にあるのに対して、海外のジャッジは明確に「審判を下す」立場にあります。日本が消極的でプレイヤーにあくまで進行が任されているのに対して、海外(WCS)ではジャッジは積極的に介入していくスタイルになっています。

イトウシンタロウ選手の判例で僕がよく思うのは、彼があの場面で対戦相手に「考えます」と伝えて、時間を使っていた可能性があるということです。日本の多くの対戦場面ではこの「考えます」と言って時間を使う行為が慣習的に認められています。僕は、対戦プレイヤーが「どうぞ」と言えばこの時間を使う行動が許されるこの風景こそが、プレイヤーに主権があり、日本のジャッジが消極的な介入であるということを裏付けているのではないかと考えています。

結果的にイトウシンタロウ選手のあの時間の使い方は、対戦相手の了承は関係なしにジャッジの裁定のみによって決定されたのだと考察していて、つまるところジャッジは感情(対戦結果を分けるいい場面だったから見逃すこともできた)と対戦相手の了承とは関係なしに、ルールに則り介入したのだと思います。

 

一方でタカマツゲン選手に対してジャッジが出遅れたこと(気づかなかったこと)について。要素を分解していくと以下のようになると考えました。

 

①上述通り日本の対戦ジャッジは消極的な介入しかしないため、あくまでもプレイヤーが自発的に気付くべき案件である

(→積極的な介入ならば、視聴者としては面白くない対戦中の警告や注意などで時計が止まる瞬間があるはずです。)

②ジャッジのミス(根本的)

③ジャッジの能力的な問題とその制度

 

②のミスについてはすでに起こってしまっているヒューマンエラーであるためここで議論をするのは不毛かと思われますので、③の「ジャッジの能力的な問題とその制度」について書いていきたいと思います。

僕自身は今年からジャッジの試験を受けようと思ってい勉強をしているところなので、あくまでも「風聞」という曖昧な形でしかお話できないことをお許しください(おそらく対戦ジャッジの報酬などについては公式側から何らかの規則などがあり、コンプライアンス的なあれこれで喋ってはいけないこともあるかと思っています)。

いわゆるポケモンカードの対戦ジャッジはボランティアであるという話です。

対戦ジャッジは公式側から雇われたプロではなく、あくまでもそういう資格を持った人がプレイヤー資格を持った人たちと同様に「参加者」として公式大会に参加をしている形です。

つまり

「もっと良くしたいならプレイヤーみたいにやりたい人がジャッジすればよくね?嫌ならジャッジ無しでもいいよ?それでもいいならだけど。」

という公式側の見解から生まれた有志の集団であるということです。むしろ「やりがい」とか「奉仕精神」みたいなもので駆り出されているような気がしなくもないし、もしくは「俺たちいないと大会回らなくね…?」という感すらあり、内情は非常に曖昧です。これでもしジャッジが少なくなったとて、公式としては「大会やってあげるだけマシじゃん」ぐらいの対応ができるし、嫌なら無しでもいいんだぜ?ができるので自然対戦ジャッジは「誰かがやらなきゃいけない」という状況になっているかと考えています。

本当のことを言うとジャッジの方々には本来プレイヤーは頭があがらない存在とも言えます。

なぜかと言うと文句をつけるなら自分でやればいいからです。

それができないことを棚に上げて文句言うんじゃねぇぞ、という話になります。

 

そうなってくると問題はこの制度的な部分ではないか、とならないでしょうか。何事においても「審判を下す」というのは責任が伴います。最終的な決定権がある人に責任が生まれるは何事においても自明です。現状ではこの責任の所在がプレイヤーなのかジャッジなのか大変曖昧で、とりあえず配信の様子を一見してみるとジャッジに責任があるように見えてしまいます。

ですが今回の件についてジャッジは責任を取れません。対戦について「ジャッジからの見解や謝罪」などができる立場が確立されていないからです。

これがもしポニータ石井さんや、あるいは柴田アナウンサーのような公式側が正式に雇った人物であれば話が変わっていきます。彼らはプロなので、失言や行動には責任が伴いますし、彼らの権利は一定の守られた位置にあります。

ここでジャッジの一日分の給料が払われていたとします。金が払われているから仕事しろ!とおっしゃる方もいるかもしれませんが、そういう問題ではありません。あなたがもし、1日のバイト代だけで、プレイヤーたちが何ヶ月何年と費やしてきた時間から生まれる日本の頂点の試合に、ジャッジとしてその日の責任を負えますか?という話です。少なくとも日当1万円とそこそこでは話になりません。

つまりはジャッジにしても定期的な練習と、実戦経験、日々の研修などが必要で、そこにお金が発生して初めて「責任を負える公式ジャッジ」=プロのジャッジとして呼ぶことができます。

これを作るための予算というのは言うのは簡単でも相当に難しく、一言プロにすればいいじゃん!とか金を払えばいいじゃん!とかそういう話じゃなくなっていきます。

 

もう1つはジャッジのモチベーションの問題です。

彼らが仮に無報酬で、義務感ややりがいみたいな曖昧なもの、あるいは在庫処分的なもので行われているのであれば、モチベーションというのはどんどん保ちにくくなっていきます。何らかの方法で彼らにはプレイヤーと同等、もしくはそれ以上の価値が見出せない限り、今の現状から変わっていくことは難しいかと思います。現金な言い方ですが、報酬さえしっかりすれば質の向上とモチベーションの維持、責任の所在は置くことが可能なのです。

これに関しては結構切実だと思います。GXスタートデッキ以降のポケカ人気に合わせプレイヤー人口は以前に比べてはるかに多くなっており、競技志向のプレイヤーもこの昨今の大型大会の盛り上がりから見ても明らかです。競技人口が増えればそれだけ必要とされるジャッジの数は増えていきます。これに対してやり続けるだけのモチベーションがジャッジ側になければ、結果的にプレイヤーを満足に見ることができません。

極論を言えばこのままジャッジの人数を維持できなくなっていくと自動的に衰退していく状況になるわけです。

 

この章で僕が主張したいことをまとめます。 

 根本的に対戦ジャッジに対して公式側から何らかのアプローチが欲しい

です 。

ここはプレイヤーが現状を認識し、声をあげていくところから始め、公式に動いてもらわなければいけません。そのためにより、自身が知識をつけるため、僕自身もジャッジ資格を取り、自分の対戦に責任を持てるようになれればなと思います。

 

 

3. note記事の風潮

僕も含めnote記事を書く人は増えていき、note記事を書く風潮は追い風となりました。何って単純に儲かります。遊びをして、勝てば20万とか入っていきます。

執筆料とかそんな次元を超えています。ただただ書き得としか思えません。

僕個人としては、この風潮は非常にいいなと思います。

自分の心血を注いだものが目に見える形で報酬として現れ、かつ買い手(特に大人)は、忙しい時間の中で作る考察時間を何時間も飛ばすことができます。単純にモチベーションを保つことにもつながるでしょう。

今回のCLを通じてシンプルに情報は金だと思いました。

とにかく時間を飛ばし、強者の思考をあっさりと手に入れることのできるnote記事を書く風潮はどんどん広まって欲しいと思います。別に金稼ぎとか、そういう風に思うのであれば買わなければよいだけなので、書きたい人はどんどん情報を発信し、買い手が自由にそれを選択していけばいいのかなと思いました。

 個人的には新しいプロの形であると感じます。それこそCLの成績1つで一回20万円とか稼げてしまいます。僕自身の最高金額でも10万円近いです。

自分の実績がお金に代わり、どんどんとそれが積み重なっていく。

忙しい人や、違うカードゲームからの新規参入者、初心者にとってはありがたいシステムだなぁと思います。当然そこに本人の実績が比例していかないと読者は読まないわけですから、買うことにデメリット(一定数の内容がスカスカの記事は存在します)はあるものの、書き手にデメリットがありません。

これからはさらに情報的な価値が上がる時代です。どんどん環境が加速していく傾向にあります。

 

1週間前の情報がメタられるところまで来ました。

自身がこの速度においていかれないようにしたいものです。

 

 

4. 公式の努力を見た

今回はこの新型コロナウイルスの状況下での開催、万が一のことがあれば、という状況の中、感染者が出た、という話は聞きません。

ひとえにこれはポケモンカード公式、運営のみなさんのおかげだと言えるでしょう。これだけ大規模な大会に、万が一のことがあった時点で世間からの批判もすごかっただろうと思われます。それがないわけですから、運営側の努力が浮かばれるというものです。

ひとまず無事終えられたことに、感謝を伝えたい。

ありがとう、公式。

 

さて、今回のCL横浜、コロナウイルス関連以外にも大変公式の努力を見た回となりました。

まず配信卓。さながら海外のWCSのようなテーブルとカメラワーク。どんどんスタイリッシュになっていて非常に良いと思いました。

次に進行。サブ配信卓を儲けることでつなぎの時間をうまく回して、視聴者を飽きさせず、どんどん対戦を映していくような方式でした。また、今回は柴田アナウンサーやライチュ梅川さんを筆頭にとにかく進行がフォーマルで話の上手な人員配置となっており、とても聞きやすくて不快感のない実況解説であったと感じます。

個人的にはポニータ石井さんも別に悪いという風には思っていないのですが、彼の場合は彼自身がエンターテイナーのようなポジションであり、かつ本人があまり口が上手いわけでもなく、競技的な思考をしているわけではないため、適切な役割という意味ではプレイヤー志向の強いライチュ梅川さんに解説は合っていたように思います。

特に彼は柴田アナウンサーと並ぶと雰囲気的にも落ち着きがあり、解説役として当てはまっているように感じました。またコメントに無駄がなく、適切かつプレイヤーとして深い知識を持っているようで、プレイヤーの挙動やデッキ内容にもある程度の予測が立っているように見受けられました。話し方や声の調子も含めて大変良かったので、ぜひ今後も解説役として続けていただきたいなと思いました。

 

 

おわりに

 

色々思うことはありましたが、とりあえず感想全部かけました。

まだシーズンの開幕の状況ですので未知数なところですが、カードの環境も公式もどんどん進化し続けていっているように思いました。

僕自身モチベーションもますます高まっています。

 

 

これからのポケモンカードが楽しみです。